カテイニンニク
ヒガンバナ科 Allium sativum.L
ニンニクの原産地は中央アジアのキルギス地方とされている。栽培歴史は古く、古代エジプトやギリシャなどの地中海沿岸で食用として栽培されてきた。エジプトでは紀元前2600年ごろ、ピラミッド建設に関わった労働者の食料として、タマネギ、ラディッシュと共に与えられたと記録が残る。肉や魚の保存や、治療薬としても用いられ、古代ローマ兵士にとっては体力維持に欠かせない野菜であったそう。
東アジアへは漢時代に中国へ伝わり、その後日本へは大和時代に伝来した(『日本書紀』に記録がある)。しかしほぼ同時期に伝来した仏教の世界では、ニンニクのような匂いの強い「葷菜」が修行の妨げになるとして、日本では風邪薬としての利用が広まる一方で、食用としては一般的に利用されなかった。
日本においては戦後、昭和40年代の日中国交回復を機に食用として広く用いられるようになり、特に高度経済成長期には疲労回復効果の高い食品として、各地で産地化も進められた。
(出典/1982『原色日本野菜図鑑』,2003『ニンニク-球・茎・葉のニンニクの栽培から加工まで-』)
嘉定区は、中国・上海市西北部に位置する区域で、嘉定ニンニクは暖地向きの栽培種である。
ホワイト六片など寒地系のニンニクに比べて小玉で、鱗片が細かく分かれやすい。
原種のニンニクに近いと言われており、香り・風味が強く、ニンニク好きには好まれる味。
球のみならず、葉ニンニクや芽も美味しく利用される。
【使い方】
年中の中華料理や西洋料理などに広くお使いください。
掘り立て間もない「生ニンニク」は、生のままスライスして鰹のたたきとともにいただくのが高知県民流だそうです。なんとも言えない辛味と旨味がクセになります。
また鱗片をむいて、オリーブオイルや胡麻油の中で素揚げして塩をかけ、アヒージョのようにしていただいても美味。ジューシーさを味わいたいなら、ホイル焼きもおすすめです。