東京南瓜

トウキョウカボチャ

ウリ科 Cucurbita maxima duchesne

 西洋カボチャの原産は、インド、アフリカ、アメリカの南米・中米中部、ペルー、ボリビアと諸説あるが、ペルーのような冷涼地からイスラエルのような砂漠地帯まで、世界で幅広く栽培されている野菜である。

東京南瓜の属するC.maximaは、アメリカが原産とする説が有力だそうだ。

C.maximaを系統的に分類すると、4つの群に分けられるが、東京南瓜は他のクリカボチャと言われるような南瓜同様、デリシアス群に分類される。

 

東京南瓜は通称で、育成元が付けた正式な品種名は「芳香青皮栗南瓜(ほうこうあおかわくりかぼちゃ)」。

それまでねっとりとした和南瓜が主流だった日本で、のちに全国的に普及する、「栗かぼちゃ」と呼ばれるほくほく系西洋かぼちゃの元祖品種といわれている。1934年に宮城の渡辺採種場が育成した。

赤皮甘栗(おそらく、西洋南瓜の在来化していたもの)にデリシャス(デリシャス群の西洋カボチャ)を交配し、その後代から特に青味の優れたものを選抜淘汰し完成。立川の農家が東京市場に出荷して人気を呼び東京南瓜と呼ばれた。トンネル栽培(第2次世界大戦後、被覆資材の発達などにより)で、暖地でも栽培が可能になったことで、日本に広く普及した。

 

(出典/1982『原色日本野菜図鑑』,種子説明書「野口種苗研究所」)※( )内は筆者の推測

 

【使い方】

甘くほくほくしており、何にでも使いやすいカボチャです。

砂糖・醤油・味醂で煮付けにする、蒸してかぼちゃサラダにする、

バターやシナモンを入れて蒸し焼き、グラタン、など、

家庭料理にも西洋料理、お菓子にも使えます。

 

砂糖をそれほど使わなくても、甘さを生かした料理ができます。

まずは、無水鍋あるいは蓋をした鍋に少量の水を張り、塩をパラパラとかけて火を通すのが、そのまま食べてもその後の料理にも使いやすく、おすすめです。