島オクラ

シマオクラ

アオイ科 Abelmoschus esculents (L.) Moench

オクラは北アフリカが原産とされている、熱帯・亜熱帯に分布する野菜。耐寒性は低いが、短期間に生育するため盛夏の時期であれば、温帯中部までは容易に生産できるため、欧米や中国でも広く普及した。

島オクラは、沖縄の在来種で、筋の張らない丸さやオクラで、粘りの強い特徴がある。

オクラは、日本には明治になってから伝来したと言われており、『西洋蔬菜栽培法(1873年刊行)』に黄蜀葵(現在ではトロロアオイを指す)に「オクラ」、「ネリ」とふりがなを施し、2品種の名がアメリカから導入されたと記載されている。

沖縄では現在も、方言でオクラのことを「ネリ」と読んでいることから、明治時代にアメリカから伝来した品種のうちの一つが固定化したものではないかと考えられる。

八丈島にも「八丈オクラ」という別の固定種オクラがあるが、同じ丸さや系統のオクラである。

(出典/1982『原色日本野菜図鑑』,種子説明書「たねの森」)

 

【使い方】

筋が張らないせいか、とても柔らかく、新鮮なものは生でもえぐみなく食べられます。

「山形のだし」に刻んで入れたり、冷奴にかけるのもおすすめです。

中華風の冷製スープに生のまま入れても美味しい。

沖縄では、チャンプルーや和物にして食べられているようです。

さっと茹でてお浸しや天ぷらも向きます。