紫ししとう

ムラサキシシトウ(紫とうがらし)

ナス科 Capsicum annum L.

トウガラシは熱帯アメリカ原産で、ペルーでは2000年以上も前の廃墟から各種トウガラシの遺片が発見されたと言われる。

ヨーロッパにはコロンブスが1493年に伝え、イギリス、フランス、イタリアなど世界各地に広まった。

東洋には16世紀ごろポルトガル人がインドに伝え、日本には豊臣秀吉の時代に朝鮮半島から種子を得た。当時のトウガラシは「高麗胡椒」と呼ばれており、辛味種が主流。

イスパニア種の甘トウガラシは、明治時代になりアメリカから渡来、戦後に導入品種が拡大したが、古来より日本では辛味種が主流であった。

 

「紫ししとう(紫とうがらし)」は、辛味の出ることが殆どないししとうで、大和(奈良県)の伝統野菜として、戦前から自家生産されてきたとのことだが、来歴は把握できていない。

葉、茎、花、果実は全体的に紫色で、火を通すと果皮は緑色になる。

完熟したものは赤くなり、とても甘い。

(出典/1982『原色日本野菜図鑑』,種子説明書「野口種苗研究所」,奈良県ホームページ)

 

【使い方】

 皮は薄く、辛さやシシトウ臭くないので、生で食べても美味しい。

現地では炭火焼きにされていたとのことだが、一方油で炒めても、もちもちした食感で美味しい。

生で食べるなら「山形のだし」に入れて冷奴に乗せたり、肉の添え野菜に、

味噌炒めもおすすめです。

 

完熟したものは大変甘く、これも炒め物におすすめです。